出版業界と小説家の現実ー百田尚樹 【夢を売る男】

小説家に転身して間もないうちから「永遠の0」「海賊と呼ばれた男」などベストセラーを次々に出し、さらにその他の作品も特定のジャンルに縛られず幅広いジャンルで小説を書いている百田尚樹

本書はそんな小説家になったからこそ見えてくる出版業界の事情をおそらく百田氏が知っている知識をふんだんに盛り込んで面白く、風刺的に、そして最後はちょっと感動的に描かれている。物語はあっという間に読み切れるほど爽快明快だ。
各出版社が募る作家新人賞のほとんどがその出版社から出されている本というのは結構衝撃的な事実で、そのあたりをさらっと本書で述べてしまうあたりは「もう私には賞は必要ない」と言っているようで潔い。


何十年も小説家を書き続けるプロよりも小説家の真理がよく分かっているように思う。というよりもずっと同じ職業(小説家)に従事していなかったからこそ出版業界や小説家のシビアな世界を客観的に見れるのかもしれない。