成長し続ける人材を生む徒弟制ー木村亮示/木山聡【BCGの特訓】

先日、【BCGの特訓】という書籍を頂いた。

英国在学中である現在、あまり和書には触れる機会がないのだが、頂いた書籍や紹介された書籍はなるべく早めに読んでおくというのがモットーなので早速読んでみるとこにした。

BCGの特訓 ―成長し続ける人材を生む徒弟制

BCGの特訓 ―成長し続ける人材を生む徒弟制

 

 「BCG流」や「マッキンゼー流」などと書かれたビジネス書を本屋で見かけることが多いが、それだけBCGやマッキンゼーなどのような超一流コンサルティングファームは長年の経験の中で知識を蓄積し、その蓄積化された知識を体系化することで一定以上の成果を挙げてきたのだろう。

本書は副題に「成長し続ける人材を生む徒弟制」と謳われているように人材育成に着目した内容がメインとなっている。どの企業も生き残りを賭けた激しい競争の中で、「人材育成」という点で頭を悩ませている。市場の変動が激しい現代において、企業でどのように人を育てるかという「人づくり」の面でコンサルタントを雇うクライアントも増えてきているという。

本書ではそのような「人材育成」の観点から、BCG独自の人材育成論を展開している。

本の構成は非常にシンプルで、1,2章はどうすれば成長するのかという「成長の方程式」について述べられており、3,4章ではそれぞれ「育てられる側」と「育てる側」から成長に必要なマインドや具体的な方法論が述べられている。

ここでは1,2章で述べられている成長に必要な2つの方程式を簡単に紹介してみる。

成長の方程式①

マインドセット+スキル

多くの優秀な人が陥る特徴の一つにスキルマニアの例を挙げながら、単にスキルを集めるだけでなく、集めたスキルをどのように使うかという「スキルの使い方」が重要であると。そしてスキルの使い方を知るには場数が必要であり、そのためには他者への貢献に対する強い思いなどのマインドセットを通してスキルの使い方を磨いていくのだと説いている。

成長の方程式②

正しい目標設定+正しい自己認識

文字通り成長には自分のあるべき姿を正しく設定し、そこに到達するために今自分はどの位置にいるのかを正しく把握する必要があるという意味である。目標設定の段階では抽象的なスローガンや憧れの人を目標とするのではなく、より具体的な目標が必要である。さらにその目標を果たすために、自己認識が必要なのだが、その一例として自身の思考の癖に意識的になるべきだと論じている。個々人の思考の癖は容易に変えられるものではないが、自分の思考の癖を意識化することで癖によるリスクを抑えることができ、あるいはその癖を自身の強みとして武器にすることもできる。

書籍全体を通じて思うのはまずその構成がコンサルタントが書いたということで非常にロジカルだ。「Why?」が生じそうなところにはすぐにそれに応える形で説明が書かれているし、論を展開するにあたってはなぜこれからその論について述べるのかがしっかり説明付けされている。本書のロジカル、読者目線という点はビジネス書に限らず、論文や様々な執筆において参考にできる部分だ。

BCGの人材育成論を教育現場に応用する

さらにBCGの人材育成論は企業だけでなく、学校などの教育現場にも役立てることができる。

例えば「育てる側(教育者)」の観点でいえば、育成が上手な人は「質問が上手」であると本書では述べられている。「最近どう?」という質問を通して本人の自己認識度を理解することが可能であり、もしそこで何かしら課題を抱えている様子なら「どうしてそう思うのか「なぜそう感じたのか」を繰り返し問いかけてあげることで本人が自ら自身の課題に対する糸口に気づくことができる。解を与えるののではなく、解に至るまでのプロセスをサポートするというのは教育においても重要なことだろう。つまりは優れた育成者とは優れたコーチング能力を持っているのだ。

自分の日々の物事に対する考え方や行動について振り返えさせられる1冊である。