南インド、トリバンドラム大学とケララ大学を訪問

海外に行ったら現地の大学を訪問しよう

海外において新しい土地を訪れたら現地の大学に行ってみるのが私の習慣となっています。それは可能であれば現地の大学関係者とコネクションを持つこと、もう一つは単純に教育に関心のある者の好奇心としてふと訪れたくなるのです。特に前者は何気なく現地の学生と話してFacebookなどを交換しておくと、後に現地を訪問した時や現地の情報を得たいときに大きな助けとなってくれる可能性があります。今回は南インドのケララ州に滞在しているということで、トリバンドラム大学(University College Thiruvananthapuram)とケララ大学(University of Kerala)に行ってきました。

University College Thiruvananthapuram

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最初に訪れたのはUniversity College Thiruvananthapuram、通称トリバンドラム大学です。大学のコースは学士から博士課程まで、統計学、動物学、物理学、イスラム学など豊富なコースが用意されている総合大学です。

University Collegeと聞いただけでピン!と反応してしまいました。何故なら私の出身校はUniversity College Londonだからです。何の因果なのか。ご存知インドは長い間イギリス領だったのでイギリスの影響を多分に受けています。このUniversity College Thiruvananthapuramという名前も英国と深いつながりがあるのでしょうか。

大学のホームページを見ると創立は1834年です。イギリスがインドにインド帝国を成立させたのは1958年。当然その前から東インド会社や英国から派遣されてきた宣教師などによってインドは英国から多大な影響を受けていました。やはり英国と密接な繋がりがあるようです。

トリバンドラムのマハラジャ(日本語で大王を意味する)はロンドン宣教会(London Missionary Society)の後援でインド南部のナーガルコーイルという場所で英語で指導を行っている学校を訪問する機会を持ちました。この時にマハラジャはこれまでにはないその教育方法に感銘を受け、当時ナーガルコイルの学校の責任者だった英国の教育学者Robertsをトリバンドラムに招致し、学校開設を求め、1834年に開設するように至ったのです。形態としては私立学校でしたが、ケララ州政府の支援により、1863-64頃までは授業料無料で開校していました。

またこの時期のケララにはロンドン宣教会だけでなく、英国聖公会宣教協会(Church Mission Society)などの宣教団も訪問しており、各地で教育普及が行われました。ケララの識字率がインドで最も高いのも、この時期の宣教師たちによる教育に関係がありそうですね。

私が訪れた時には中に入れず困っているところ、トリバンドラム大学の哲学科の学生がちょうど話しかけて来てくれ、今日は公務員試験の会場となっているのでキャンパス内に入るためには17時を過ぎるのを待つ必要があると教えてくれました。

17時まで待って、さっそく中に入ってみることに。

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大学は街の中にあるのでキャンパス内はそれほど広くはありません。校舎は古く、歴史を感じさせます。周りの学生は公務員試験を受けてきた人たちでしょう。皆さんお疲れ様でした。ちなみに教室も見せてもらうことに。

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普段はここで授業が行われており、この日はここで試験が行われていたようです。

そして一通り見学を終えて今度はすぐ近くにあるケララ大学へ向かいます。

University of Kerala

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ケララ大学には残念ながら関係者以外の敷地内の見学はアポが必要なため、今回は正面から写真を撮るだけに留まりました。

実はケララ大学は州立大学ではありますが、上記のトリバンドラム大学よりも新しく、創設は1937年です。イギリス領インドではヴィクトリア女王時代にインドの主要な王侯の結束を高め、英国女王との結び付きを強めるという目的で「最も高貴なるインドの星勲章(The Most Exalted Order of the Star of India)」が王侯(マハラジャ)やインド統治行政官、インド担当大臣に与えられました。つまりイギリスに従順な王たちが各地で影響力を発揮できるようにする目的があったわけです。

勲章の等級には

ナイト・グランド・コマンダー(Knight Grand Commander)(GCSI)
ナイト・コマンダー(Knight Commander)(KCSI)
コンパニオン(Companion)(CSI)

の3等級あります。この制度は1947年にパキスタンとインドが独立して以降に廃止となりました。

なぜこの話をするのかというと、ナイト・グランド・コマンダー(Knight Grand Commander)(GCSI)の最後の勲章を与えられた人物がまさにケララ大学を創設したマハラジャ(大王)だったからです。そのマハラジャの名前はスレー・ヴァルマ(Chithira Thirunal Balarama Varma)。まだケララにトラヴァンコール王国という国があったときの王様でした。

キャンパス内にいた警備員も当然のように彼の存在を知っており、インドでも大変に有名なマハラジャだったそうです。

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教育は国造りと言われることがありますが、大学の歴史を少し調べてみるだけで、その国の歴史について様々な知見が得られます。大学見学の醍醐味は教育の観点から国の歴史に関心を抱くようになることかもしれません。