ソーシャルビジネスで飯を食べる80人のチェンジメーカーたち

こんばんは。昨日までの涼しさも嘘のように、今日は33℃の猛暑で外出時は堪えました。

しかし、そんな暑さ以上に熱い人たちが世界中には多くいます。彼らは普通の企業のように営利を追求することを目的化せず、社会変革、つまりより良い社会を築くことを目的に仕事をしています。こうした社会課題を解決する仕事をソーシャルビジネスと表現しますが、この言葉は最近ではもう珍しい言葉ではありません。むしろ、営利企業で働くよりも、こうしたソーシャルセクターで働くことを選択する人たちが今後さらに増えていくだろうと予想します。

さて、今回はそんな世の中を変えていく社会変革者たちの軌跡が載っている1冊の書籍を紹介したいと思います。

世界中を旅して未来を変える80人に出会う

 

未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家

未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家

  • 作者: シルヴァン・ダルニル,マチュー・ルルー,永田千奈
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2006/09/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 この本は著者のシルヴァン・ダルニルとマチュー・ルルーの二人がヨーロッパ、アジア、北アメリカ、南アメリカ・アフリカというまさに世界を旅しながら、変革を起こす社会起業家に会って取材をする、というとてもワクワクするような企画です。

ここでは全て紹介することはできないので、私個人が面白いと思った活動を3つ紹介したいと思います。

ヨーロッパ

地域:デンマーク・カロンボル

社会起業家:ヨルゲン・クリスチャンセン(元ノボ ノルディスク ファーマ工場長)

課題:大規模工業地帯の環境への悪影響を軽減する。

デンマークの工業地帯で活動するクリスチャンセンは工場が排出する廃棄物が環境汚染を招いていることに課題意識を感じ、いかに廃棄物による環境汚染を軽減できるかを考えました。クリスチャンセンはそのヒントを自然界から学びます。つまり、自然界ではある生物が出した「ゴミ」は、他の生物の「エサになる」。この仕組みを活かせないかと考えるのです。そこで彼は工場の廃棄物をすぐに隣の工場でリサイクルする仕組みを思いつきました。例えば火力発電所から廃棄される石膏(二酸化硫黄)を隣の工場に販売する。買い取った会社はこれを自社の石膏パネルを造ることで廃棄物をリサイクルすることができるという仕組みです。

アジア

地域:バングラデシュ・ダッカ

社会起業家:スライヤ・ハク

課題:企業内保育園の運営会社プルキ 創業者

アジアは実に沢山の社会起業家が紹介されています。その中には社会起業家の先駆者としてあまりにも有名なムハマド・ユヌスも紹介されています。今回は同じバングラデシュをフィールドに、工場に保育園を併設させる活動を行う社会企業家をピックアップしました。インドやその周辺地域では未だに家事や育児は女性がやるものという風習が根強く残っており、加えて女性たちはその中で生活費も稼がなくてはならないという苦しい環境の中にいる人々が沢山います。バングラデシュで裕福な家庭に育ったスライヤ・ハク。彼女は自宅に新しい家政婦を雇う時に、小さな子供がいる女性を雇わなかったことで自責の念に駆られるようになりました。そこで彼女は、工場に保育園を併設させ、女性たちが育児も経済的な独立も両立できる環境を築く活動を始めます。プルキとはベンガル語で「輝き」を意味するそうです。また、彼女のこだわりとして寄付に頼らない経営を目指します。彼女たちは開設した保育所のオリエンテーション、指導料、相談料を収入源に、自立した軽系を続けています。

南アメリカ

地域:ブラジル・リオデジャネイロ

社会起業家:ロドリゴ・バッジオ

課題:スラム街でコンピュータ教室を主宰するCDI創設者

ロドリゴ・バッジオがスラム街でコンピュータを教えた子供の数は10万人以上。彼自身はIBM役員の父を持つ裕福な家庭で生まれ、若くしてソフトウェア会社を創業するなど成功を収めます。彼は幼い時の教会活動を通してスラム街の現状を知るようになります。そこで彼は不要なコンピュータを全国から集め、コンピュータ教室をスラム街に開設したのです。このパソコン教室は現在八百か所まで広がり、卒業生は延べ60万人を超えています。ロドリゴはこのコンピュータ教室を、若者の居場所となれるように整えていきます。ロドリゴの学校の面白い取り組みは、コンピュータのスキルを目的化せず、あくまでもツールとしてとらえているところです。例えば、避妊、衛星、環境問題といった社会テーマについて、ワープロで新聞をつくらせることで、生徒はコンピュータの技術だけでなく自分自身の意見を持つ訓練にもなるのです。

渡邊奈々氏のチェンジメーカーもおすすめ!

チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える

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上記の書籍に加え、よりNPO/NGOの創業者に焦点をあてた著作がこのチェンジメーカーです。これは中身も素晴らしいのですが、透明なブックカバーを使用するなど、書籍のデザインがとてもお洒落です。合わせてお勧めしたい1冊です!