国際開発コンサルタントとはどんな職業で、目指すためには何が必要か

こんにちは。

現職での最終出社日も決定し、今は現職での最後の仕事をこなしながら、転職先への準備を進めている日々です。

私は今後、開発コンサルタントと呼ばれる職業に就くことになります。

開発コンサルタントはなかなか聞きなれない職業だと思います。現職はIT企業ですので、私の周りで"開発"というとアプリ開発か何かを想起する人が多いようです。まだまだ開発コンサルタントという職業はそれほど知られていない印象です。
そこで、今回は「開発コンサルタント」という仕事は、一体どのようなこと職業で、
開発コンサルタントになるためには何が必要なのかについて、紹介していきたいと思います。

1. 開発コンサルタントは最も現場に近い国際協力師

前回の記事でも紹介したように、NPO法人・宇宙船地球号・山本敏晴氏によれば
お金を貰いながらプロとして国際協力を行う、いわゆる国際協力師には主に3つの段階があります。考える人、つなぐ人、やる人です。開発コンサルタントはこのうち最も現場に近い、まさに現場で「やる人」です。

2. 活動領域は、ハードからソフトまで多岐に渡る。

開発コンサルタントは、少し前までは道路や橋などハード分野のニーズが多かったのですが、最近では農業、水資源開発、運輸・交通(港湾、道路、空港など)、保健・医療、教育、経済、行政、社会経済など対象となる領域はハード分野・ソフト分野に渡って多様化しています。固定化された仕事ではなく、開発途上国のニーズに合わせて様々な案件を実行していくのが開発コンサルタントです。

3. 開発コンサルタントの仕事とは

開発コンサルタントの主な仕事は政府の開発援助(ODA)を実施するにあたり、現場のマネジメントや専門的な技術や知識を提供しプロジェクトを進めていくことです。

そのため、主なクライアントはJICAや国際機関などの政府関係になります。JICAはマネジメントのプロですが、ある特定分野の専門家集団ではありません。彼らは人とモノを「つなげる人」であり、現場で「やる人」は専門技術を持った開発コンサルタントなのです。

近年では、開発コンサルティング会社もODA案件だけでなく、これまでの途上国での知見を活かし、新興国へ進出する民間企業の海外展開サポートを行う会社も増えてきています。ODAが縮小の一途を辿っている中なので、ODA案件だけでは生き残ることが難しくなってきているのです。

4. 年間6か月近く海外で過ごす

これまで見てきたように、開発コンサルタントは現場での貢献が求められます。高度な技術力を現場で活かしながらプロジェクトを推進していくのがコンサルタントの仕事です。

なので、海外にコンサルタントが滞在していればいるほど、その企業は案件が取れて儲かっていると考えることもできます。なので必然的に、開発コンサルタントは途上国に滞在する期間が長くなります。このため開発コンサルタントは「きつい」「汚い」「危険」「家庭崩壊」の4Kの仕事だと冗談っぽく言われることもありますが、ライフスタイルが家族にも影響する以上、しっかりと家族と相談しなければ冗談ではなくなります。

5. 開発コンサルタントになるために必要なもの

さて、今までは開発コンサルタントとは一体何なのかについて、ざっくりと説明してきました。ここからは、実際に開発コンサルタントになるために求められる要素について考えていきたいと思います。

5-1. 語学力

年間6か月以上海外で過ごす開発コンサルタントは、業務に外国語を使用する機会が非常に多いです。そのため、英語はマスト、さらには現地での公用語(スペイン語やフランス語)等があれば採用にも業務にも有利になるでしょう。

英語は現地でのコミュニケーションツールとしてももちろん大事ですが、報告書や計画書などのドキュメント類も英語で作成し、また必要な情報を英語で入手する機会が多いため、高度な英語力が求められるでしょう。

私の働く会社も、社員の半分近くがTOEIC満点だそうで、その上で第3、第4言語を習得されている方も多くいます。

5-2. 学歴

開発コンサルタントは"学歴"が求められるのも事実です。

これは東大京大とか海外の名門大学を卒業すべきという意味ではなく、"修士"以上の学歴を採用条件に掲げている企業が多いという意味です。

学歴、と聞くとあまり良い感じがしないかもしれませんが、私は開発コンサルタントが高学歴を求める理由に、以下2つがあると考えています。

①専門性

大学院の修士課程では、学部よりも、より高度で専門的な学問を学びます。そのため、専門性を現場で活かす開発コンサルタントになるには、高度な専門知識を習得している修士以上の学歴が求められる事が多いのです。

②信用

開発コンサルタントに限らず、コンサルタントという業界はクライアントとの信用で成り立っています。クライアントは特定のコンサルタントに仕事を任せられるかどうかを判断するために、ある程度の経歴や学歴、資格の有無等を考慮することがあります。その際に信用や安心を与えるという意味で、高学歴は機能してくるのだと考えています。

開発コンサルタントという意味では、途上国では大学院に進む人はそれほど多くないため、日本以上に学歴社会です。ですので途上国政府や現地で関わる人に対しても、学歴や経歴は彼らに信用を与えると言えるでしょう。

5-3. 専門性(業務経験)

開発コンサルタントはあまり新卒採用を行いません。最近では新卒採用も少しずつ増えてきたものの、採用人数も若干名であることが多く、新卒で採用されても任せられる仕事は限られています。なぜなら、何度も言いますが、開発コンサルタントとは現地で専門性を活かして貢献する仕事だからです。

従って、開発コンサルタントになるためには、専門的な技術や職業経験が求められるようになります。逆に言えば、これまでの業務が国際協力と関りのなかった場合でも、開発コンサルタントとして、培ってきた専門性を国際開発の仕事に応用することができます。

5-4. 家族の理解

実はこれが一番大事かもしれません。開発コンサルタントは年間を通して海外に滞在する機会が多く、その期間も1度の渡航で長い時には3か月~半年という場合もあります。1年以上であれば家族も同伴できるかもしれませんが、頻繁な短期出張が重なるため、単身で滞在せざるを得ない場合がほとんどです。

従って、必然的に家族と一緒にいる時間や、もっと言えば、日本にいる時間が少なくなります。家族からの理解が得られなければ、仕事を続けることは決して容易ではないでしょう。大事なことは、単に家族に情熱をぶつけるだけでなく、いざというときや日々の生活をどのようにしていくか等について、よくよく話し合っておく必要があります。そうでなければ、家族と心も体もすれ違いの生活になってしまいます。

また、日本にいる両親の介護、友人と会う機会、通院の機会なども限定されてしまうので、ライフプランをしっかりと考えて働く必要があります。

6. 開発コンサルタントのやりがいとは

さて、ここまで開発コンサルタントとは何か、開発コンサルタントになるためには何が必要かを見てきました。

開発コンサルタントは専門性や語学力など求められる要件も高く、また、ライフワークも決して安定した職業ではありません。しかし、それでも私が開発コンサルタントを目指した理由は、一言でいって"やりがい"がありそうと感じたからです。

開発コンサルタントのやりがいは様々にあると思いますが、私は特に3つの大きな期待を抱いてこの世界に飛び込むことにしました。

①圧倒的な現場力が身につく

開発コンサルタントの魅力の一つは、最も現場に近いところで国際協力のプロとして働くことができるということです。JICAや国連機関ではマネジメントや企画書などのドキュメント作成が主な業務となるため、本当に現場に出たい人にとって開発コンサルタントは最適な環境と言えるでしょう。

20代で、普通では決して行くことのできない環境に飛び込めるのも開発コンサルタントの魅力です。私は今後のキャリアでマネジメントや政策面に携わる機会があったとしても、まずは現場に出て現地のニーズに触れたいという思いがあったため、国際協力師の入り口として開発コンサルタントを選びました。

②国際協力に直接関われる

商社やメーカなどの民間企業でも、途上国に赴いて国際協力に関わることは可能です。しかしながら、企業である以上、希望通り配属されるのかという問題、国際協力に関われる部署で働くためには時間がかかるという問題、また企業の利益優先のために必ずしも現地の人の生活向上に繋がるビジネスとは限らないという問題があります。

そういう点を考慮し、私は民間企業でありながらもダイレクトに国際協力に関われる開発コンサルタントにやりがいを感じました。

③同じ志を持った仲間と働ける

開発コンサルタントの一番の魅力は様々なバックグランド、専門性を持った人たちが、あの国を良くしたい、よりよい社会を築きたいという志を持って働いているという点にあります。もちろん、考え方や価値観の違いはありますが、目指しているところが同じというのは共有し合えるものも多く、助け合える環境の中で働くことができます。

国際協力の仕事を志す人は、きっと人生のどこかで転機やきっかけがあったはずです。そうした様々な想いや途上国での様々な経験を持った仲間と働ける環境はとても魅力的です。どこで働くかよりも、誰と働くかが重要だとよく言われますが、同じ志を持った仲間と働けるほど心強い環境はないでしょう。

 

今回は以上になります。あまり知られていない開発コンサルタントという職業について、少しでも参考になれば嬉しいです。