日本人の英語力は低いのか-IELTSとTOEFLから見る英語力ランキング

日本人は本当に英語力が低いのか

よく日本人は非英語圏の中でも英語力が低いと言われることがあります。

確かに、読み書きはできるけどスピーキングは全くできない、という人も結構見かけますし、海外に行った実体験からも日本人の英語力は非英語圏のその他の国の人たちと比べて決して高いとは言えない気がします。

こうした「日本人の英語力は低い」と問題提起する人たちの中には、TOEFLの国別スコアランキングを引き合いに出し、他の非英語圏の国と比べて日本は相対的に英語力が低いのだと示す人もいます。

しかし、TOEFLのスコアだけで、本当に英語力が図れるのでしょうか?例えば、TOEFLと似たテストにIELTSがあります。一般的にTOEFLは米国、IELTSは英国への留学のために用いられると考えられています。しかしながら、最近では米国・英国の多くの大学がアドミッションの条件として両方の試験を認めています。

TOEFLとIELTSの受験者数は?日本でもIELTSに注目が集まる

こうした背景から最近では日本国内でIELTSへの注目が集まっています。

ここで、TOEFLとIELTSの受験者数を一度見てみましょう。

TOEFL:世界約72万人・国内約8万人 
IELTS:世界約250万人以上・国内約3万1000人  
参照:http://www.phillip-james.com/pj-blog/qualification/y150805/  (2014年データ)

上記を見ると、日本国内ではTOEFL受験者がIELTSよりも多いですが、世界基準でみるとIELTSの方がTOEFLよりも受験者数は圧倒的に多いのです。

また、日本国内でも最近ではIELTSの受験者数が増加しており、2010年には10万名程度だった受験者が2016年には3万7千人に達しています(http://www.eiken.or.jp/ielts/merit/situation/)。

また、英語力の差が出やすいスピーキングテストに関して、TOEFL ibtではコンピュータ上で試験するのに対し、IELTSは実際に試験官とインタビューするのでより実践的な試験と言えるかもしれません。

つまり、日本人の英語力を相対的に把握するためには、TOEFLのスコアランキングだけでなく、IELTSのスコアからも考えてみる必要があると思うのです。

TOEFLとIELTSスコアランキング

 TOEFLのスコアランキング

まずはTOEFLのスコアから見てみましょう。

各国別平均点のランキングを見てみると、日本は34/39位と低いランクとなっています。TOEFLibtは何となく気軽に受ける試験ではありませんので、やはりこの数字を見ると諸外国と比べて英語力の低さが目立ちます。

TOEFL ibt Total Score 120

順位

 国 スコア   順位 国  スコア 

1

ドイツ 96   21 カザフスタン 80

2

スペイン 94  21 台湾 80

3

ギリシャ 92  23 ネパール 79

4

インド 91  23 ベトナム 79

5

イタリア 90  25 カタール 78

5

パキスタン 90  25 シリア 78 

7

マレーシア 89  27 ナイジェリア 78

7

フィリピン 89  27 中華人民共和国 77

9

フランス 87   27  ヨルダン 77

10

メキシコ 86  30 ウズベキスタン 77

11

バングラデシュ 84  30 トルコ 75

11

インドネシア 84  32 アラブ首長国連邦 75 

11

ロシア 84  33 タイ 74

11

スリランカ 84  34 リビア 71

15

エジプト 83  34 日本 70

15

香港 83  36 クウェート 70

17

ブラジル 82  37 イラク 66

17

イラン 82  38 オマーン 64

17

韓国 82  39 サウジアラビア 59 

20

コロンビア 81      

 参照:https://www.ets.org/s/toefl/pdf/94227_unlweb.pdf (2016)

IELTSのスコアランキング

続いてはIELTSのランキングです。

TOEFLと似ていますが、よく見ると異なる順位になっています。

日本は40か国中30位とTOEFLよりもランクを上げています。しかし、それでも表からは日本人の英語力は諸外国と比べて低いことが分かります。

IELTS Academic Total Score Band 9.0

順位

 国 スコア   順位 国  スコア 

1

ドイツ 7.3  20 台湾 6.1

2

ギリシャ 6.9  22 バングラデシュ 6.0

3

カナダ 6.8  22 ネパール 6.0

3

フィリピン 6.8  22 ベトナム 6.0

3

スペイン 6.8  22 トルコ 6.0

3

フランス 6.8  22 タイ 6.0 

3

マレーシア 6.8  27 ヨルダン 5.9

8

ブラジル 6.7  27 インド 5.9

9

ロシア 6.6  27 韓国 5.9

9

イタリア 6.6  30 米国 5.8

11

ナイジェリア 6.5  30 カザフスタン 5.8

11

ウクライナ 6.5  30 日本 5.8

11

メキシコ 6.5  33 中華人民共和国 5.7

11

香港 6.5  34 イラク 5.6

15

スリランカ 6.4  34 ウズベキスタン 5.4

15

エジプト 6.4  36 クウェート 5.3

15

インドネシア 6.4  37 オマーン 5.2

18

コロンビア 6.3  37 カタール 5.2

19

イラン 6.2  39  サウジアラビア 5.0

20

パキスタン 6.1  40  アラブ首長国連邦 4.9

参照:https://www.ielts.org/teaching-and-research/test-taker-performance (2015)

やはり英語力は低いが他の要素も考慮すべき

上記2つのランキングを見ると、日本人の英語力は

TOEFLでは34位/39カ国 (2016)

IELTSでは30位/40カ国 (2015)

であることがわかりました。

しかしながらここで導かれる結論は、

「日本人の英語力は諸外国と比べて低い」ではなく、

TOEFL/IELTSを受験した日本人の英語力は、TOEFL/IELTSを受験した諸外国の人と比べて低い』ということだと思います。

上記に「TOEFLibtは何となく気軽に受ける試験ではありません」と記載しましたが、それでも日本人は、比較的誰でも、これらの試験を受けて海外留学へ行く機会があります。

一方でそれ以外のランキング上位国は、国で使用される第2言語が英語だったり、留学に行くために試験を受ける人は国の既に英才教育を受けたエリートだったりと一概に比較できない要素が複合的に含まれているのです。