プロとして国際協力に関わる3つの「人」とは

国際協力への多様な関わり方

私は大学時代から社会貢献・国際協力に関わる仕事がしたい、と考えてきました。

ボランティアではなく、しっかりとお金を貰い、一定のパフォーマンスが求められるプロとして、国際協力に携わりたいと考え、イギリスの大学院に進学することを決めました。

最近では民間企業でも、企業の強みを活かして、社会貢献につながる事業を行う会社や、商社やメーカーのように営利事業を行いながらもそれを通じて途上国のインフラ・生活改善に貢献している企業も多くあります。こうしたビジネスを通じた国際協力は、ODAが縮小の一途をたどる中で、今後持続可能な開発としてますます重要な役割を担っていくことでしょう。

しかしながら、今回考えてみたいテーマは、途上国援助を目的とした仕事についてです。ODAの一役を担い、一定の報酬を受け、国際協力のプロとして活躍する人たちについて考えてみたいと思います。

考える人、つなぐ人、やる人-国際協力に関わる3つの人-

医師や教師のように、最近では「国際協力師」という概念が普及しつつあります。「国際協力師」というのは、生活するのに十分な給料をもらいプロとして国際協力を持続的に行っている人々のことを意味します。

この「国際協力師」という概念を提唱し、今回のテーマでもるように、国際協力に関わる人を3つの段階に分類した人が、医師でNGO法人 宇宙船地球号代表を務める山本敏晴さんです。

山本さんはプロとして国際協力に関わるには考える人、つなぐ人、やる人という3つの段階があると言います。

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考える人

考える人というのは、開発経済理論やプロジェクトの目的や手順など、国際協力の在り方や政策の方向性を定めていく人です。分かりやすい職業で言えば、大学教授や政府(外務省)の政策立案者等がこれにあたるでしょうか。

つなぐ人

日本ではこのつなぐ人が国際協力の中でもイメージしやすいかもしれません。プロジェクトを実施するために必要ないわゆる人、物、金を用意し、調整する人たちです。国連職員やJICA職員などがこの役割に該当するでしょう。

やる人

やる人は文字通り、途上国の現場で実際にプロジェクトを実行する人です。現場に一番近いため、受益者に直接関りを持つ機会が多くあります。開発コンサルタントやJICA専門家、NGO職員などがこのやる人に該当します。高い専門性と技術力を持って国際協力の現場で活躍する人たちです。

どのように国際協力に関わるかを考える

この「考える人」「つなぐ人」「やる人」の割合は、日本人では「1:8:1」と言われており、日本では圧倒的に「つなぐ」立場で国際協力に携わる人が多いのです。

最近では「国際協力に関わりたい、そのために欧米の大学院に行きたい」という学生や後輩と出会う機会が多くなりました。国際協力のキャリアを考える上で、教育や経済、保健など特定の分野を決定することも重要ですが、様々なアクターがいる国際協力の世界で、どのように関わりたいかを決めることも同時に重要なことではないかと思います。

現場に近い場所で関わりたいと思っているのに、気が付けばJICAや国連などのつなぐ立場に立っているために、事務仕事ばかりで理想と現実のギャップに悩むということも生じてくるでしょう。私個人的な意見としては、「つなぐ」「考える」立場から国際協力に関わる前に、「やる人」を経験しておくのが良いのではないかと考えています。

また、冒頭でも触れたように、ODAではなく、ビジネスとして関わる方法もありますし、むしろ今後はこちらの方が重要になってくるかもしれません。単に「国際協力をしたい」という段階から、どの分野でどのように貢献していけるかまで考え準備することが、プロとして国際協力に携わるための第一歩なのかもしれません。

参考文献:NPO法人 宇宙船地球号 ETS ~未来の国際協力師たちへ~ » Blog Archive » 07:医療か人権