ICT化が加速する教育業界-教育ITソリューションEXPOに参加して

先日東京ビッグサイトで開催された第9回教育ITソリューションEXPO(EDIX)に参加してきました。

教育ITソリューションEXPOは学校でのICT投資が進む中で、2010年から始まった毎年1度開催される、国内最大の"教育 x IT"イベントです。この会場では教育に特化した最新IT製品やサービスが出展され、学校教育や企業の人材育成など、教育に関わる様々なITソリューションが紹介されます。

各地から教育業界やIT業界が集い、出展企業はなんと700社です。

そんな国内最大の教育ITソリューションイベントを少し覗いてきました。

国内最大だけあって、会場はすごい人数。まるでお祭り状態です。

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テーマは6つ-学校業務支援から未来の学びまで

教育ITソリューションと言っても幅広いのですが、本イベントは大きく6つのテーマに分類化されていて、各テーマごとにブースが設置されています。

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学校業務支援

まずは学校の業務をIT化することで効率を上げるサービスです。これまで教師は時間が足りない、マネジメントに時間を取られて授業研究ができない、というような課題がありました。学校業務支援では、事務支援システム、教務システム、校務支援システム、デジタル採点システム、学生・生徒募集ソリューション、就職支援システムなど、学校業務に関わる様々なサービスをIT化することで教職員の負担を減らすことを目指しています。

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教材・教育コンテンツ

教材・教育コンテンツはその名の通り、学習教材のデジタル化や、デジタル教科書、デジタル教材、教育ソフト、学術情報データベースなど、ICTを通じて学びを促進していくサービスを提供します。

ICT機器

ICT機器は、電子黒板、タブレットPC、プロジェクター、書画カメラ、校内LAN・ネットワーク、保管・充電機器、教育用電子機器など学習に必要なツールをICT化したサービスです。

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「みエルもん」は特別支援学校などにも導入されているICT機器で、手元の教材を拡大してスクリーンに投影することができる。特別支援学校や小学校などで手元の教材についていけない子のために、教師が教科書のどこを見ればいいかを視覚的に伝えることで学びをサポートします。

eラーニング

お馴染みのeラーニング は授業・講義収録、遠隔講義・授業配信、モバイル ラーニング、基礎学力補習・リメディアル教育など、時間も場所も問わない遠隔な学習を可能にします。

セキュリティ

セキュリティはこれまで以上に重要性が高まってきました。ICTが進むということは、それだけ情報セキュリティのリスクも高まるということです。従って、セキュリティを向上させるための情報漏えい対策や情報モラルツールなどのサービスも普及しています。また、それだけでなく登下校見守り、緊急地震速報システム、安否確認サービスなどITを使用して人的なセキュリティを高めるサービスも紹介されています。

みらいの学び ~学びNEXT~

最後に、2020年小学生のプログラミング必修化政策を受けて、各社は次世代の学びのためのプログラミング教材、工作キット、教材用ロボット、3Dプリンタ、アダプティブラーニングなどのサービスを紹介しています。

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新技術の発展は目覚ましいが、いかに他社と差別化できるかが重要

教育課題のITソリューションや学びの促進化という意味ではとても楽しいイベントですが、出展企業の立場から見ればなんとか顧客を確保したいと考えるのが普通でしょう。時代のニーズにうまくキャッチアップして、そのニーズに応え得るサービスを提供しなくては顧客獲得に繋がりません。

イベントに参加してみて、面白いサービスや新しい技術に触れられたのはとても有意義でした。そこで今度は単に教育ITソリューションに関心を持った一人のイベント参加者から、出展されているサービスを実際に利用するユーザー(顧客)という立場に立ってイベント会場を見渡してみることにしました。

ユーザー目線で見渡してみると、各社でほとんど似たサービスを提供しています。一体どれを選んでよいのか分からなくなります。恐らく私がユーザーであれば、価格、セキュリティ上の安全性、サービスの保証・保守、導入実績に基づいた信頼などによってどの企業のサービスを利用するかを選ぶことになると思います。

しかし、これではあまりにも当たり前すぎて、企業側も差別化を図りづらい。そこで鍵はやはりオーダーメイドでいかに個々のニーズに対応できるかという対応力/応用力になってくるのではないかと思います。生き残りの鍵はニーズへの対応力/応用力です。

私は学校業務支援と教材コンテンツ、e-Learningを提供しているいくつかの企業に、「これらのサービスを外国、例えば途上国で展開することは可能かどうか」を聞いてみました。ほとんどの企業では、2つの観点から難しいと話してくれました。一つが言語、もう一つがコンテンツです。英語に対応していないサービスは最初から難しいですが、英語対応のサービスであっても、英語以外の現地の言葉に対応していなければ現地で使えません。また、言語は対応していても、現地の学習指針や教育ニーズに対応していなければ普及しません。

ほとんどの企業が、最初から外展開を考えているわけではなく、マーケットはあくまでも日本国内なので仕方ないのですが、自社のサービスや技術に自信があるのなら、日本市場が飽和状態になる前に、最初から海外マーケットを見据えたサービス開発を考えても良いのではないかと素人ながら思ってしまいます。

そういう意味では、現地言語で現地コンテンツを開発している「Quipper」や海外向けソフトの開発に乗り出した「すららネット」は強いと思います。確かにパッケージで売り出した方がコストもかかりません。しかし、時代は大衆サービスから個の時代です。いかに個のニーズに対応できるかが、今後教育ITサービスの生き残りの鍵になると思います。