実はルワンダは男女平等が最も進んでいる国の一つで、女性の政治参加も世界一

私は"発展(開発)途上国"という言葉はいずれ死語になるのだと思っている。一般的に発展途上国という言葉は、経済発展や開発の水準が"先進国"に比べて低く、経済成長の途上にある国を指す際に用いられることが多い。

私はいわゆる発展途上国という国に何か国も行き、生活し、仕事をする中で、"発展途上国"という言葉を使うことに違和感を感じてきた。確かに"発展途上国"と呼ばれる国々の経済的な水準はまだまだ"先進国"と比べると低いのかもしれないが、それはあくまでも経済という側面であって、すべてが発展途上というわけではない。むしろ日本であっても、ある側面を見れば発展途上ともいえる分野が多くある。

ジェンダー・ギャップ指数に見る日本とルワンダの位置

特に「男女の平等」という点からいえば、日本は明らかに世界標準から後れを取っている。世界経済フォーラム(WEF)が2017年に発表したThe Global Gender Gap Report 2017の中で、世界144カ国を対象にしたジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)が公表されているが、日本は過去最低の114位/144カ国だった。ジェンダー・ギャップ指数は文字通り、男女の平等性を図る指数で、経済、教育、政治、保健の4つの分野のデータから作成される。1が完全平等を指し、0が完全不平等となる。ジェンダー指数のトップ20カ国は以下の通りだ。

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女性議員の割合が世界一のルワンダ

上のランキングを見て意外に思われるのが、ジェンダー・ギャップ指数で4位にランクインしているルワンダだ。多くの人にとって、ルワンダという国はジェノサイドやアフリカの貧しい国という印象が強いのではないだろうか。しかし、今やルワンダは、女性議員の割合も世界一となっており、The Global Gender Gap Report 2017によればルワンダの女性議員率は61%で、2位のキューバ51%を大きく引き離している。

政府が取り入れているクオータ制

ルワンダがこれほどまでに女性議員の割合が増えた背景には、1994年に起きたジェノサイドの影響が大きい。ジェノサイドによって、多くの男性が亡くなったため国民の男女の比率が下がり、女性の活躍に頼らざるを得ない状況になった。そこで政府は、憲法によるジェンダー平等の明確化やジェンダー主流化を進め、2003年に制定された新憲法の9条4項には議席の3割以上を女性とするクオータ制を導入が明記されている。*1

これによってルワンダでは女性の発言力が高まリ、今では政界、ビジネス界など社会の様々な場所で女性が意思決定が行う場面を多く見ることができる。先月にルワンダのICT省の大臣に初の女性が選出されたが、ルワンダでは重役ポストに就く女性も決して珍しくない。私のオフィスにも現地の女性スタッフが活躍しているが、総じて皆優秀だ。

国際社会においても、例えばジェノバ大学院研究所が行った研究によると、紛争時において、女性が主体的に関わった和平交渉では、その和平が15年以上続く割合が、男性のみの交渉と比べて35%上昇することが分かっている。*2

紛争の被害の多くは女性や子どもであり、被害者女性の心理や立場に立って和平交渉を結べるのは、女性だ。だから数合わせのための女性参加ではなく、主体的な女性参加による和平交渉は成功する可能性が高いのだと思う。

ルワンダから学ぶべきことは多い。日本が世界から取り残されないためにも。

*1:国別ジェンダー情報整備調査_ルワンダ国_最終報告書

*2:平和構築に向けた女性のリーダーシップとエンパワーメント_笹川平和財団