シリコンバレーのスタートアップがルワンダへ!物流革命を起こしたZiplineのオペレーションに迫る

先日Ziplineを訪問した。(イッテQでも紹介されたそうな)
今回で2度目だ。今回は少人数で訪問したのでオペレーションから何までいろいろ聞けて大満足。SNSでのシェアも大歓迎ということなので、Ziplineについて簡単にレポしたい。

f:id:eternalsekai:20181110152224j:plain

Ziplineとは?

米国カリフォルニア州に本社のあるジップライン社(Zipline)は、ドローンを使って医療機関向けの空輸システムに取り組んでおり、同社はここルワンダとパートナシップを結び、飛行基地から半径約60kmの地域にある20の病院に、医療品や血液などの空輸を開始しています。

Ziplineがルワンダで最初の商用ドローンサービスを開始した背景には、ルワンダ政府が国の発展のために様々な取り組み・挑戦に対して積極的に協力する姿勢だったからです。Try & Errorでとにかくまずはやってみようという政府のポジティブな姿勢が、世界中のイノベーターたちを引き付ける所以でもあります。

また、「千の丘の国」と呼ばれるように、無数の丘からなるルワンダでは、ものを運ぶために丘から丘まで道路を使うよりも、ドローンのように空路を利用した方がはるかに速い時間で運ぶことができます。無人航空機による物流サービスは、こうした一見マイナスに見える環境を逆手にとって生まれたサービスなのです。便利からは生まれない、不便だからこそ生まれるイノベーションです。

驚くべきZiplineのオペレーション

話を聞いて驚いたのが、Zipilineでは、注文を受けてから医療品を病院に届け、完了届を受け取るまでの一連のオペレーションをわずかRwanda人5人でしっかり回していることだ。では、どのようにオペレーションされているか見てみよう。

①まずは病院からの注文を受け取る。

注文を受ける方法は電話、Whatsapp、Email、専用フォームなどの複数の方法があり、これら受け取った注文を一つのシステムに乗せて管理していく。様々な手段で注文することが可能な点は、病院などのわりと保守的な施設にとってもありがたいことだ。

f:id:eternalsekai:20181110155428j:plain

②商品を注文に合わせて準備する

注文を受けたら、該当商品を送る準備に取り掛かる。

f:id:eternalsekai:20181110160446j:plain

Ziplineのドローンと言えば血液を飛ばすことで有名だ。実際の血液がどのように保存されているのかも見せてもらった。

f:id:eternalsekai:20181110160200j:plainf:id:eternalsekai:20181110160711j:plain

血液は必要に応じて異なる温度で、血液型ごとに冷蔵または冷凍されており、急な入用で冷凍された血液が必要になった場合には、機械を使って血液を解凍していく。

f:id:eternalsekai:20181110160722j:plain

③商品を専用のボックスに箱詰めする

商品は専用のボックスに箱詰めされる。注文が複数ある場合でも、必ず1つの商品に一つの箱、というルールを徹底している(稀に箱に入った医薬品を同時に送ることはあるかもしれないが、血液と何か別のものを同封することはまずないだろう)。

商品を入れるボックスは専用のエアパッドでしっかりと包装される。このエアパッド、実際に触ってみたがなかなか弾力性があって丈夫だった。しっかり商品を守ってくれそうだ。

f:id:eternalsekai:20181110161249j:plainf:id:eternalsekai:20181110162937j:plain

ドローンが目的地へ到着すると機体のドアから商品が放り出されるため、ボックスにはパラシュートが付いており、このパラシュートで商品へのダメージを軽減させる。

f:id:eternalsekai:20181110162033j:plain

④機体へ商品を乗せる

商品を箱詰めしたら、いよいよ機体に乗せていく。機体には商品の入ったボックスがちょうど入るぐらいの大きさのドアがあり、そこにボックスを入れる。商品をセットしたらいよいよ出発だ。

f:id:eternalsekai:20181110162835j:plain

⑤機体の点検(充電編)

一度飛ばしたドローンのバッテリーは必ず専用装置で充電される。充電時間は、バッテリー残量を0%と仮定した場合、およそ1時間でフル充電ができるそうだ。

f:id:eternalsekai:20181110164237j:plainf:id:eternalsekai:20181110164239j:plain

⑥飛行前の点検

充電されたドローンを専用の発射装置に乗せ、いよいよ発射となるが、発射の前には、二人がかりで入念な最終点検が行われる。

点検はヒューマンハンドによる点検はもちろん、面白いのはQRコードとアプリを使ってエラーを発見する仕組みだ。人間とシステムのダブルチェックによって機体の異常をすばやく察知できるよう仕組み化されている。

f:id:eternalsekai:20181110164433j:plain

⑦いよいよ目的地へ向かって発射

すべての準備が整えば、いよいよ目的地の病院へ向かって発射する。誰もがワクワクする瞬間だ。

AirMapで運行管理を行う

発射されたドローンの行方はAirMapで追える。この運行管理のシステムもよくできている。

現在、20以上の病院に商品を届けているが、わずか30分以内で大抵の場所まで届けることが可能だ。

f:id:eternalsekai:20181110170014j:plain

⑨任務を終えたドローンをお迎え

無事に商品を送り届けたドローンは、また元の場所に戻ってくる。離陸は専用装置を使って勢いよく行われたが、果たしてあのスピードあるドローンをいかにして着地させるのだろうか。答えは映像を見れば理解できるだろう。

お分かりいただけただろうか。ドローンのお尻にあるTailと呼ばれるフックを着陸地点に張ったワイヤーに引っ掛けてドローンを捕らえているのだ。ここまで正確にフックをワイヤーにかけられるのもすごい。万が一フックにかからなかった場合、旋回して再度挑戦するらしい。捕らえられたドローンはまるで網にかかった魚のようだ。

f:id:eternalsekai:20181110172936j:plain

Zipelineが使用するドローンについて

一般的に空撮などで用いられるドローンはクアッドコプター(Quadcopter)と呼ばれる4基の回転翼(ローター)を搭載したものが主流だ。この回転翼は上昇・前身・方向転換などの制御を実現でき、垂直離着陸型で細かいコントロールや空撮などに向いている。

一方Zipelineのドローンでは2つのプロペラを装備したセスナ型となっており、自動浮上はできない。従って発射装置であるカタパルトによって浮上させる仕組みとなっている。飛行機型にするメリットはエネルギーの効率がよく、飛行距離も早くて長い。さらにルワンダでは雨季には大量の雨(スコール)が降るが、セスナ型だと雨の影響を受けにくく、雨天でも飛行が可能となる。さすがに暴風では飛行を見合わせるらしいが。

Zipelineの未来は物流革命の未来

ドローンビジネスでここまで軌道に乗っているところもまだあまり多くない。こりゃ投資家も投資したくなるわけだ。現在は12時間のオペレーションだが、今後は24時間のオペレーションを考えており、また商材の医薬品だけでなく日常品など拡大していく予定だ。物流革命を牽引するスタートアップとして、Ziplineの未来はまさに物流における未来になるだろう。

最後にZipeline様へ

訪問・見学にお金をとっても良いと思う。

見学だけでもそれぐらいの価値がある。Thank you.

f:id:eternalsekai:20181110174400j:plain