最近、韓国と北朝鮮の関係が再び緊張化している。
北朝鮮の3度目の核実験に対して国連が7日に安全保障理事会全体会議を開き、北朝鮮の核実験に対する制裁決議案を全会一致で採択した中、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が「全面戦争を始める万端の準備」ができていると再び警告し、挑戦停戦協定を白紙化する意向を表明。
来る11日に事実上、停戦協定を白紙化すると表明したのである。
これに対して米国ホワイトハウス報道官のジェイ・カーニー氏は「脅しや挑発によって北朝鮮が得るものはなく、自ら孤立を深め、北東アジアの平和と安全を確実にしようとする国際努力を傷つけるだけだ」「こうした挑発は何ら新しくない」と受け流した。
確かに北朝鮮の挑発と脅迫外交は今に始まったことではない。
知り合いの韓国人でも今回の表明をそれほど本気に捉えていないというか、やはり受け流しているのである。
しかし北朝鮮の論理というものは分かりやすいようで意外に掴みにくいのもまた事実だ。
そして何よりも現在、休戦協定が白紙化されてもされなくても「戦争中」という事実は変わらないのであり、いくら国際社会で国際法、国際秩序の下に戦争に関する規約が前提にあるとしても、戦争である以上何が起こるかわからないのも事実である。
特に北朝鮮のようなならず者独裁国家の場合、トップに絶対的裁量権があるので、そのトップは国際社会の微妙な心理戦の影響をもろに受けやすい。
民主主義国家と違い、絶対的裁量権を特定の人物が持つ国ほど、その選択はより人間的になりやすいと思うのだ。
「ただの挑発だろう」「毎度おなじみ」「よくあることだ」というような姿勢で北朝鮮に対する場合、むしろ逆にその姿勢こそが北朝鮮に火をつけ、最悪の事態を招く結果にならないだろうか。
戦争中といえば、私は日本で北朝鮮政府の唯一の公式サイト「Naenara」を時々チェックしていた。北朝鮮の政府が直に発信する情報なので、そこから北朝鮮の論理、求めるもの、目指すべきものを推測できるのではないかと思ったからである。
Naenaraとはネナラ=私の国という意味である。
日本にいれば、Googleで「ネナラ」と検索すればヒットする。
しかし韓国に来てみるとそのサイトは規制がかかっていて閲覧不可状態だ。
サイトは韓国語(朝鮮語)で書かれているので語学の知識がないと情報は得られないが、韓国語ができる韓国人がそのサイトを閲覧できるようになると何か不都合があるのだろう。
この事実からも改めて韓国と北朝鮮は戦争中であることを再認識させられる。
そう思うと、休戦状態ではあっても、私が今戦争中の国にいるということはいやでも何か考えさせられる。
韓半島がどこへ向かうのか。
アジアに住むものとして、その方向性と現在置かれている意味を考えていきたい。