思ったことがなかなか伝わらない。
言いたいことの半分も伝わっていない。
ビジネスや学校、家族の中でもこうした伝わらないもどかしさを感じた人は多いと思う。
本書はビジネス書として大ベストセラーになり、一度は書店で見かけた人もいるだろう。著者の佐々木氏は博報堂でコピーライターとして働いていたキャリアがあり、博報堂時代での経験を通じてコトバの持つパワーに出会った。
相手に「イエス」を言わせる方法
本書ではなぜ伝え方が大事なのかという話から始まり、伝え方は訓練次第で磨くことができること、伝え方を学ばなかった人と学んだ人との間に成果の差が生まれるということ、そして具体的な伝え方の紹介がされている。
例えば相手に「イエス」と言わせるために
①自分の頭の中をそのままコトバにしない
②相手の頭の中を想像する
③相手のメリットと一致するお願いを作る
というの3つのステップを紹介している。
さすが元博報堂でコピーライターということもあり、文章も読みやすくて2時間弱あれば2冊読めてしまう。演習も盛り込んであり、具体的に今すぐ使えるテクニックも紹介されているので即効性も高い。紹介されているテクニックはどちらかというとキャッチコピーのように文書テクニックの側面が強いが、もちろんそれが日常でのコトバの伝え方に応用できることもあるだろう。
感動は作れる
「感動は作れる」という佐々木氏。
本書の中で最も伝えたいことは、相手が何を求めているのかを知り、いかに相手を感動させられるコトバを作るか、ということではないだろうか。自分目線で語るのではなく、相手目線に立つことの重要性を示唆しているように思う。