子ども心を大切に
大人になる、というのは常識を身に着ける、ということだと思う。
大人になるというのは世間一般に「常識」と言われているものを知り、それを学び、常にそれを意識して生きていくということなのだ。
だから大人になるにつれ、何かについて、例えばそれが常識のようなことだった場合、気軽に知らないとは言えなくなる。知っているふりをするようになる。そうして世間の常識の中に埋もれないようにと、必死になるのだ。
ところが子どもは違う。知らないことだらけ。常識なんてない。知らないから大人に尋ねるのだ。知らないから自分であれこれやって調べてみる、確かめてみるのだ。

- 作者: スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (11件) を見る
本書の中で、フリークという新しい概念が出てくる。
フリークとは?
「フリーク」とはフリーエコノミクスの略で、世間の慣習や常識にとらわれない人を指し、従来の枠に問わられない日常的な疑問を経済学のツールを使って読み解いていく人々のことである。
こうした世間の常識や慣習に対して、ゼロベースで考えてみることの意義を本書では様々な事例を用いて示している。そして、それにはカチカチにバイアスのかかった頭ではなく、子供のように、柔軟に、様々な視点から考えてみることの重要性を説いている。
この点について、世界中で最も読まれている聖書の中でこう述べられている部分がある。
「いったい、天国ではだれがいちばん偉いのですか」
・・・・ 「よく聞きなさい。心をいれかえて幼な子のようにならなければ、天国にはいること はできないであろう。この幼な子のように自分を低くする者が、天国でいちばん偉いのである。」(聖書:マタイ 8:1-4)
ここでいう天国とは、人々の平穏や幸福、死後の世界の楽園、という意味かもしれない。しかし、一歩視点を変えて、天国を、革新的に世の中が変わっていく、新たな価値が生まれる世界と見るならば、確かにフリークのように、幼子のようでなければならないだろう。