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withコロナ時代、ICTは人間の安全保障の一つになる

人間の安全保障

人間の安全保障という考え方がある。

その定義について、外務省では以下のように説明されている。

人間の安全保障とは,人間一人ひとりに着目し,生存・生活・尊厳に対する広範かつ深刻な脅威から人々を守り,それぞれの持つ豊かな可能性を実現するために,保護と能力強化を通じて持続可能な個人の自立と社会づくりを促す考え方。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/security/index.html

緒方貞子氏とアマルティア・セン氏が共同議長を務めた「人間の安全保障委員会」ではもう少しシンプルに、人間の安全保障について「人間の生にとってかけがえのない中枢部分を守り、すべての人の自由と可能性を実現すること」と説明している。

今回のコロナ騒動を受け、インターネットはこれまで以上に生活における重要なインフラになり、インターネットへアクセスできるかどうかは、教育を受ける権利と同様に、もはや基本的人権のレベルで極めて重要な課題だと思う。

多くの人が感じていることだが、コロナはあと1~2カ月もすれば収まる、という次元のものではなく、長期化する可能性がとても高い。
すでに様々な企業がリモートワークなどを導入しており、オンラインでのコミュニケーションがここ1,2カ月で急速に拡大・普及した。また、Youtubeの首相官邸の公式チャンネルから安倍首相の会見が見られたり、多くの芸能人が自宅からライブ配信をしたりと、ネット(動画)を通じた情報配信がもはや当たり前になり、今後ますますこの傾向は強くなっていくだろう。

今こそデジタルデバイドの解消が求められる

コンピューターや情報通信技術へアクセス/活用できる人とできない人との間に生じる貧富や機械の格差をデジタルデバイドというが、今後はインターネットへアクセスできるかどうか、使いこなせるかどうかが死活的に重要になってくる。
それは個人の問題だけでなく、コロナの最中でも売り上げを順当に伸ばしている企業の特徴の一つが空間的制約を受けないビジネスをしていることだと仮定した場合に、ICTを駆使したビジネスを展開できるかどうか、既存のビジネスを上手くIT化できるかどうかは企業の生存にも大きく関わると言えるだろう。

デジタルデバイドといった時に、日本の課題はICTの活用における格差が主課題となるのだと思うが、私は国際協力の仕事をしているので、途上国に目を向けると、その課題はやはりインターネットへのアクセスが第一に挙げられると思う。人間の生命、生活、人権を守っていく理念である「人間の安全保障」の中に、衣食住や教育と同様にインターネットへのアクセスは当然含まれるべき事項として共通認識されるようになるだろう。

オフラインは贅沢品になる?

余談だが、私は海外出張中の機内で、たまたまインターネットが繋がることを知って空の上からネットを繋げてみたことがある。インターネットに接続した瞬間、大量のメールが受信され、結局そのメールに目を通すといろいろとやることが増え、飛行機内でも仕事をしてしまったというオチだ。
また、北海道へ旅行に行った際も、スマホへLINEがバンバンと来ており、非日常を感じることが非常に難しいと思ったものである。
もちろん、スマホの電源を切っておくとか、いろいろ対処手段はあったと思うのだが、それでもその時に「今後はオフラインの時間が貴重(贅沢品)になる」と感じたものである。

何が言いたいかというと、withコロナの時代ではオンラインでのコミュニケーションがデフォルトとなり、「よっぽどのことが無ければオフラインで会う必要がない」ということが起こる可能性がある。そうすると、オフラインの価値というのは、コロナをきっかけに今後ますます高まっていくのだろうなぁと改めて思う。