0. ユニセフ国際協力講座
ユニセフ国際協力講座毎年11月から翌年3月にかけて、日本ユニセフ協会主催の国際協力人材養成プログラムというものが開講されています。
これは国際協力について学びたい人や国際協力のキャリアを考えている学生、社会人を対象に、既に国際協力の現場で働いている講師を様々な機関から招いて講座を行うプログラムです。
今年は既に第17回を迎えています。
第17回 国際協力講座の概要
講座の目的 : この講座は国際機関、NGO、政府援助機関などに於いて、 子どもの分野などで国際協力を担う人材を義務からではなく使命の立場から養成しようとすることを目的としています。
受講資格 : 国際協力に興味を持ち、国際機関やNGOなどでの活動を希望している大学生、大学院生、社会人。国籍は問いません。実用英語技能検定準1級・TOEIC730点以上・TOEFL-iBT79点以上に相当する英語力を有し、12回の講義に出席可能な方。
使用言語 : 日本語(英語による講義の回あり)
場所 : 公益財団法人 日本ユニセフ協会 ユニセフハウス
受講料 : 無料 (交通費自己負担)
募集人数 : 100名(応募多数の場合は抽選となります。)
修了証書 : 10回以上講義に出席し、レポートを提出した方には修了証書が授与されます。18:30までに受付を済ませた方のみが出席となりますのでご注意ください。
現在このプログラムに参加中ですので、講義のまとめや感想について当ブログでも紹介していきます。
1. 第1回 ユニセフの活動-子どもを誰ひとり取り残さない世界を目指して-
第1回目の講座は、ずばりユニセフの活動についてです。
講師はUNICEF東京事務所 副代表を務める根本 巳欧さんです。根本さんは民間のコンサルティング会社を経てユニセフで勤めるようになりました。コンサル出身だけあってとてもロジカルに、かつエネルギッシュにユニセフの活動を紹介してくれました。
2. UNICEFの主な活動
全ての子供たちの権利が守られる世界を実現するために、世界150以上の国と地域で、保険・栄養・水・衛星・教育・HIV(エイズ)・保護・緊急支援・アドボカシ―(政策提言)などの活動を行っています。
会場では根本さんから、、
「このUNICEFの活動のうち、最も力を入れている分野はどこだと思いますか?」
という質問がありました。私はてっきり教育だと思っていましたが、教育は予算比率でいえば3番目です。
UNICEFの活動のうち、最も予算をかけているのは「栄養」分野で、全体の30%にもなります。次いで2番目に予算が高いのは「水と衛生」分野で20%、教育は全体の14%を占めています。少し古いですが、以下のリンクからもデータを確認することができます。
UNICEF - Humanitarian Action for Children 2012 - Introduction
3. UNICEF東京事務所と日本ユニセフ協会の違い
既にご存知の方も多いかと思いますが、UNICEFとは別に日本ユニセフ協会という機関があります。たまに混同してしまうこともあるので、最後にその違いについて触れてみます。
UNICEF 東京事務所
まずはUNICEF 東京事務所について。
事務所(東京都渋谷区)
活動対象:政府に公的機関に働きかける
UNICEFはUnited Nations Children's Fund(国際連合児童基金)の略称で国連の補助機関となっており、本部はニューヨークにあります。
先進国では直接的な活動を行っていませんが、世界7つの地域に地域事務所が置いてあり、東京事務所(渋谷区)もそのうちの一つです。黒柳徹子さんが親善大使になったのも有名ですね。
今回後援してくださった根本さんも、この東京事務所の副代表を務めていらっしゃいます。
日本ユニセフ協会
続いて、この国際協力講座を主催している日本ユニセフ協会について。
事務所(東京都港区)
活動対象:市民、民間に働きかける
日本ユニセフ協会は、日本国内の公益財団法人であり、主な活動拠点は日本です。その活動は、主に募金活動、広報活動、アドボカシー活動であり、日本ユニセフ協会で集めた募金は間接費等を除いた金額をUNICEFに送金する仕組みとなっています。
日本ユニセフ協会はUNICEFのパートナーとして、民間のユニセフ募金集め、 UNICEFの世界での活動や世界の子どもたちについての広報、そして、「子どもの権利」の実現を目的としたアドボカシー(政策提言)活動を行うことでUNICEFの活動を支えています。UNICEF東京事務所と日本ユニセフ協会は、それぞれの役割は異なりますが、「すべての子どもの権利を守る」というUNICEFの使命を実現するために、協力し合いながら活動しています。